先日、ある読者の方から、この「お手軽OJT術」コラムについて、こんな感想をいただきました。
「こんな風に出来たら」と思う反面、「うちでは難しそう」
とも感じています。
・・・はい、そうなんです。。。
このコラムは「お手軽OJT術」と言っていますが、実はそれほど「お手軽」でもないのです・・・。
というと語弊がありますが、
このコラムでご紹介しているようなOJTをお手軽に実行するためには、あるマインドセット(気持ちのあり方・準備)が必要になのです。
そのマインドセットのどこかに不安や不安定さがあると、もしかしたら、OJTそのものに対して、「難しい」という意識が芽生えることがあるかもしれません。
そこで今回は、お手軽OJT術【番外編】として、「OJTを成功させるマインドセット」についてお話ししたいと思います。
* * * * *
この連載の【第一回目】のときにも、少し触れたのですが、
行動・マインド面でのOJTを行う上でとても大切なのは、「いろいろ言わない」こと。
一番大事なことを、シンプルなメッセージで繰り返し伝えるということです。
キーワードは「シンプル・マネジメント」。
この「シンプル・マネジメント」という考え方の中に、今回お伝えしたいマインドセットが3つ、含まれています。
その3つとは・・・
1)絞り込む思い切り
2)宣言する勇気
3)徹底的に続ける覚悟
です。
何を行うにも、「絞り込む」というのは、「思い切った仮説を立てる」ということと同義。
「一番大事なことをシンプルなメッセージで伝える」ということは、つまりは、「OJTで伝えるべきことを絞り込む」ということなので、そこには思い切った仮説を立てる=非常に勇気のいる決断をするという思考プロセスが含まれているんですよね。
この「絞り込む思い切り」が、OJTを実行するリーダーにとっては、何をおいても第一に必要なマインドセットだと思います。
そして第二に大切なのが、絞り込んだメッセージや、その背後にある課題認識を、部下やメンバーと共有することです。
今のチームや人材のどこに課題を感じていて、OJTでどんなメッセージを浸透させようとしているのか。
そういう課題認識(=自分の決意)をしっかりとチームに対して宣言することが、OJTを成功に導く成功要因の一つとなります。
宣言をしてしまうと、そこには責任が発生してしまうので、リーダーとしては少し尻込みしてしまいますが、リーダーの意気込みや意図がしっかり理解できてこそ、現場メンバーも、OJTをはじめとする様々な施策を受け入れることができるのだと思います。
そして最後に必要なマインドセットが、「徹底的に続ける覚悟」。
何でもそうだと思いますが、新たな施策というのは、ちょっとやってみて効果がでないと、「やっぱりダメか・・・」とすぐに諦めて、やめてしまいがちです。
でも、人材育成や風土改革などに関する施策は特に、目に見える効果がすぐに出ることは希で、時間をかけてやっと変化が少しずつ実感できるもの。
すぐに効果が出なくても、あるいは、最初は少し混乱が生じても、粘り強く続ける覚悟を持っているかどうかが、成功のポイントとなると思います。
もちろん、ただ続けるだけでなく、効果を見ながらPDCAを回す必要はありますが・・・。
* * * * *
以上が、「お手軽OJT術」を本当にお手軽なものにするために大切な3つのマインドセットです。
どれも、今よりちょっとだけ勇気を持つ、あるいはちょっとだけ現状をポジティブに捉えることで持つことが可能なマインドだと思います。
正解のない世界なので、まずは前進してみることが大切。
OJTって難しいなぁ・・・と思ったら、まずはマインドチェックをしてみましょう!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
※最新のコラムはメールマガジン(隔週発行)でお届けしております。ぜひご登録ください。
◆大好評!OJT研修◆
マネージャーがOJTに積極的に取り組むために必要なのは、「OJTは難しくない」というマインドセットと、気軽に取り組める事例を知ること。そんなキッカケづくりのための短時間OJT研修を行っています。
詳しくはこちらよりお問い合わせください。