※このコラムは、2010年4月配信のメルマガでお届けしたものです
4月になり、街の至る所に、初々しい新入社員らしい人たちを見かけるようになりました。またクライアント先でも、新人のエネルギーに触発されて社内全体が 活気づいている様子を目の当たりにしています。
新卒採用に関する人材要件というのは各社様々ですが、もう随分前から、 「自律的に動ける人材」、「リーダーシップのとれる人材」を重視して 採用活動を行っている会社は多いことと思います。 そういう観点で人材を採用しているにも関わらず、クライアント先で 研修をしたり、社員の方々へのヒアリングを行っていると、 「管理職や上司のリーダーシップがない」とか、 「最近の若手はリーダーシップがとれない」とか、 とにかく「リーダーシップがある/ない」という話をよく耳にします。 (最近は、「政治家のリーダーシップがない」という話もよく聞きますね・・・。)
この議論には、ときどき違和感を感じます。
それは、 「ここでいうリーダーシップとは何を示しているのか」 が良く見えないからです。
前回のコラムでも書いたように、リーダーシップとは、
目的や目標達成のために自ら動くこと。そしてその行動が、「結果として」周囲に影響を与え、周囲を動かすこと。
と捉えています。
その方法やアプローチは様々で、時と場合によって、全く異なります。
たとえば、強制力で人を無理やり動かすのもリーダーシップだし、場合によっては、じっと我慢して人が動くのを待つ、のもそうかもしれません。
また、コーチング的に人の意見や才能を引き出すことが必要なときもあれば、手取り足とり、全てを教えてあげることが必要な場合もあります。
結局は、「結果として周囲の人が動いたか/事態が前進したか」が 重要で、どんなリーダーシップが適切かは、周囲の人との関係性や、 その時の状況、スピード感(緊急かどうか)によって違ってくるということ なのだと思います。
だから、「あの人はリーダーシップがない(ある)」というような論評には 少し違和感があって、本来であれば、「あの人のリーダーシップは今の状況には合っていない」とか、「リーダーシップの使い方(アプローチ)が違っている」とか、そういうことなのではないかと考えています。
そして、上記のような様々な「リーダーシップ」には、それぞれ得意・不得意があって、全てのスタイルを完璧に使い分けられる人はとても稀です。また逆に言うと、誰でも一つは得意なリーダーシップスタイルを持っていることが多いと考えることもできます。だからこそ、リーダーシップを「ある」「ない」で安易に片づけることはとても危険でもあり、それぞれの人の強み(得意なリーダーシップスタイル) を見逃してしまうことになりかねないのでは・・・と思っています。
インディプロスでは、「リーダーシップチーム育成プロジェクト」というサービスをご提供していますが、これはまさに、上記の考えに立脚しています。 http://indipros.com/leadership.php 人それぞれに得意とするリーダーシップスタイルは異なる。
だからこそ、事業や業務に必要なリーダーシップは、チーム全員で 補完しあうべきだし、チームでないと完成させられない・・・
そんな考え方に基づいて、リーダーシップ開発を行っています。様々な取り組みが同時並行で進み、都度発生する課題も複雑化している、 また、部下の価値観や能力も急速に多様化している・・・ そんな昨今の状況では、リーダー一人に全てのリーダーシップを求めるのは 不可能ですし、それでは負荷が大きすぎます。
上司(職責上のリーダー)も完璧な人ではないということ、チームで相互に補完しあうことがとても大事だということを、部下も上司本人も認識するところから始める。そして、「目的や目標を必ず実現したい」というシンプルかつ強い想いを チームで共有する。
そういうところから始める「リーダーシップチームづくり」が とても大切なのではないかな、と思います。
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