この時期、期末の評価面談にフィードバック面談、新年度の目標設定と、人事制度関連の業務が増える会社も多いのではないかと思います。
特に評価は大変ですよね。
「期末の追い込みやら、年度初めのイベントやらでただでさえ忙しいのに、評価になんて時間を使っていられないんだ!」
というような声を聞き、人事制度構築を生業としている身として、非常に心苦しい思いをすることもよくあります。
でも、部下のお給料の金額をちゃんと決めてあげるためにも、また、部下の成長やモチベーションを支援してあげるためにも、評価がとても大事だということは、多くの方が理解しているはず。
であれば、せっかく会社が提供してくれた機会。 思いっきり活用して、最大の費用対効果を得てしまいましょう!
♪評価面談でコミュニケーション改善♪評価制度が存在する会社は非常に多いですが、評価の際、しっかり面談をしている会社というのは、意外と少ないものです。
第一の理由は、時間がかかって現場に負荷がかかるから。
たしかに、評価面談やフィードバック面談の一番の目的は、あくまで評価のため、あるいはフィードバックのためです。
つまりは、「人事制度を運用するため」です。
でも実は、間接的には、「評価という手法を通して、上司と部下の間で日々の取り組みを振り返り、良いところは認め(褒め)、改善すべきところを明確にし、今後についてのプランを話し合うため」でもあります。
ここ数年、職場でのコミュニケーション不足というのが、各社でかなり深刻な問題となっていると聞きます。
「メール文化で育った最近の若者は、自分の世界に閉じこもりがちで、積極的に他者との関わりを持ちたがらない」 という声も聞きます。でも、果たしてそれが真実かというと、そうでもないようです。
今も昔も、若者がどこかに帰属したいという想い、あるいは、誰かに認められたい、受け入れられたい、という想いは変わらないものです。
最近関わったクライアント先でも、「誰かに褒めてほしい。自分たちのやっていることをちゃんと認めてほしい」 という言葉を、何名もの社員の方々から聞きました。
「ありのままの自分を認めて欲しいのに、上司はちゃんと認知してくれない」
「組織の一員として迎えて欲しいのに、自分がどんな人間か、自分が組織に何を求めているのかということに、上司は関心を示してくれない」
今の、特に若年層の社員の多くは、そんなジレンマを抱え、日に日に元気をなくしているのではないか・・・と思わずにはいられません。
そんな状態のときに何が効果的かといえば、上司と部下との間で、膝を突き合わせてじっくり対話をすることです。
その名目が何であれ、とにかくコミュニケーションをするということが、まずは大事です。
そうだとすると、評価面談やフィードバック面談を、そのための場だと考えてみてはいかがでしょうか。
日常的に発生しているコミュニケーション不足の問題を、たった30分の評価面談、フィードバック面談で改善することができるとしたら、それは非常に高いコストパフォーマンスと言えます。
しかも、評価シートというコミュニケーションの「材料」が既に揃っているので、話のネタにも困らないはず。
まずはそんな風に、「面談」という場を、日々のコミュニケーション不足を改善するためのひとつの手段として前向きに捉えるところから始めてみてはいかがでしょう?
「評価制度も、意外とマネジメントに使えるんだな」と感じていただけると思います。
結局、評価面談も、フィードバック面談も、上司と部下の間の信頼関係を築くことが、一番大切なポイントになります。
評価自体の納得感も、そうすることで飛躍的に高まるからです。
「人事制度のため」と考えると本当に面倒ですが、コミュニケーションのためにその場を活用していただいて、上司にも部下にも、どちらにとっても本当に意味のある場にしていただければ、と思います。 前向きに取り組んでみてください!
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