株式会社インディプロス

【9】新卒の受け入れ態勢をつくる

【9】新卒の受け入れ態勢をつくる

「価値観の多様化」、「ゆとり世代」といったキーワードを企業の新人教育現場でよく耳にするように なりました。これまでの教育手法ではなかなか以前のような効果が確認できず、新たな手法をなんとか確立しようと、様々なチャレンジを行っている人事の方々の様子を、私も日々目の当たりにしています。

しかし、人事がいくら入念かつ慎重に新人教育を行っても、現場に配属された途端に職場不適応となり、休職や退職に追い込まれる新人も少なくありません。 また、そのポテンシャルが活かされず、なかなかパフォーマンスを発揮しきれない人もいることでしょう。

そのような状況をできるだけ避け、新入社員に「本当にこの会社に入って良かった」と思ってもらえるように、また、着実に成長を遂げてもらうためにも、まさにここがOJT力の出番です! なかでも大切なのが、現場のマネジメントの「一貫性」。

社会人になって間もない新人にとっては、何がビジネスの常識で、会社における人間関係の基本はどんなものなのか、もわかっていない状況。 そのような状態にあっては、上司や周囲の人々の反応もほとんどが予測不可能です。そしてそのようなときは、少し視点を変えたアドバイスを行ったり、前と少しでも異なった反応をすると、

「この前言っていたことと違う」「何が正しいんだ???」 と、パニックになりやすい状況にあると言ってもよいと思います。そこで何よりも大事になってくるのが、一貫性あるマネジメントなのです。

新人に伝えたいメッセージがしっかり的確に伝わるように、新人が上司や職場を信頼して日々を過ごしていけるように、いつもよりも少し慎重に、一貫性のあるマネジメントを行っていくことが大切なのではないかと思います。

♪ポリシー設定で「一貫性」あるマネジメント♪

マネジメントに「一貫性」を持たせるといっても、それはなかなか至難の技。日ごろの何気ない言動をいちいち覚えているわけではないので、「以前と態度が違う」「言っていることが違う」と思われることも、人間なのでたまにはあると思います。それでも、ブレてはいけない部分は、絶対にブレてはいけません!

そこで、新人と接する上でのポリシーを決めておくことをお勧めします。 以下に、マネジメントの「一貫性」の実現をサポートする7つの質問を記載しておきます。

新人が配属される前の今の時期に、自分自身や職場全体でのマネジメントのポリシーとして、一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。

-------------------------------------- 《マネジメントの「一貫性」を実現するための7つの質問》

□自分たちの仲間として、一番大事にしてほしい価値観や行動スタイルは何ですか?
□最初の1ヶ月、3ヶ月、半年、1年で、それぞれ身につけてほしいものは何ですか?
□会社にうまく馴染んでいくために、社会人の先輩として伝えたいこと、伝えるべきことは何ですか?
□上記のような点を身につけてもらう上で、上司として、あるいは組織としてできるサポートは何ですか?
□成長の確認とフィードバックはどのようなタイミング/方法で行いますか?
□新人が何かを失敗したとき、上司あるいは先輩として、どのように対応しますか?
□自分自身の、上司としての弱みは何ですか?その部分を補填するためには、どうすることが必要ですか?

-------------------------------------- いかがでしょうか。 上記のような点について予め明確にし、新人を受け入れる際のシミュレーションを行っておくことが、マネジメントの「一貫性」を保つ上では、一つの手助けになるのではないかと思います。 新しい仲間が、本当の仲間にまで育ってくれるように、新人を受け入れる側も、しっかり準備をしておきたいですね。

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