株式会社インディプロス

【7】組織文化を言葉で変える

【7】組織文化を言葉で変える

根付かせたい理念や価値観があるのに、なかなか組織に根付かない・・・。

経営者や人事、あるいは組織の管理者という立場であれば、そんなもどかしさを、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

その原因、実は、意外と身近なところ、しかも自分自身に潜んでいることも多いのです。

それは、自分自身が発する「言葉」。 周囲の人を思い浮かべてみるとわかりやすいと思いますが、ふとした日常会話に出てくる言葉一つで、その人の本当の思考や価値観、目線のあり方がわかることがあります。

・「お客様第一主義」を標榜しながら、現場のリーダーが自らお客様を「客」と呼んだり、 ときには「あいつら」と呼んでしまう
・「フラットな組織」、「相互のパートナーシップ」を組織運営方針の第一に掲げながら、「この仕事はあの人(会社)に“やらせよう”」と、上から目線の言葉をついつい 発してしまう

比較的頻繁に見受けられる光景なのですが、そういう何気ない言葉に、その組織やその人本人の本質が垣間見えてくるのです。

以前、厚労相が「女性は子供を生む機械」発言をした際、「そんな言葉が出てくるのは、本当にそういう考えを持っている証拠」と多くの反論が出ましたが、それと一緒ですね。

何気ない一言に人は敏感に反応し、その根底にある価値観や思考、その人の持っている目線を感じ取るものなのです。
だから、いくら研修で「正しいこと」を学んでも、普段の会話でそれを覆す言葉を日々発していては、理念や価値観は定着しないのです。 そういう意味で、まずは自分たちの言葉遣いを見直してみることが第一歩。

そこで今回は、言葉を通して思考や目線、価値観を矯正していく考え方をご紹介したいと思います!

♪言葉の矯正で価値観矯正♪

言葉と価値観・理念は、「ニワトリとタマゴの関係」に似ています。

上記のように、ふとした一言に、つい本性(本当の価値観)が現れることもあれば、いつも適切な言葉遣いをするよう心がけていると、自然とマインドや思考もそのように矯正されることもあります。

たとえば、常に、誰に対しても「ありがとう」という言葉を発し続けていると、そのうち本当にいろんな人への感謝の気持ちが湧いてくることがあります。(ぜひ試してみてください!)

それは、なぜ自分は今「ありがとう」と言っているのか、という理由づけを、無意識のうちに自分の中で考えていて、そのプロセスの中で、いろんな人のありがたみに気づいていくからかもしれません。

では、それをどう組織作りに活用していくのか・・・ですが、 自分たちにとって、一番大切な価値観を示す言葉を洗い出して、それだけは決して使い方を間違わないよう、組織で徹底する、そんなルールを作ってみてはいかがでしょう?

そんなに沢山の言葉を一気に矯正することはできないので、まずは一番大切なところから、5つくらい、組織の最重要キーワードを設定してみる。 必ず「お客様」という、相互に「さん」付けで呼ぶ、一言目はかならず「ありがとう」と言う・・・。

そんなシンプルなルールです。 たかが言葉ひとつで大げさな・・・と感じるかもしれませんが、言葉が文化を作り、文化が共通言語を作っていく・・・。

そんな影響力が、普段何気なく使っている言葉には宿っているのだと思います。 こういう厳しい時代だからこそ、会話の端々に、一人ひとりの本音や本性が現れることも多いです。

自分たちの理念に反する言葉遣いがなされていないか、一度検証してみるのも良いと思います。文化づくりのスタートは、組織の中に「共通言語」を作っていくこと。 社員の思考や価値観、目線を矯正したいと思ったら、まずは日常の言葉から矯正する・・・そんなOJTを進めてみてはいかがでしょうか。

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