コミュニケーションが不足している、対面での会話が必要だ、と言われて久しい昨今。
それはわかっているけれど、どうやって話を進めればよいのか・・・といった悩みもよく耳にします。
できるだけ効率的に、手間のかからないように、といった現代の志向性にも押されてか、余計に「コミュニケーション」を複雑なもの、難しいものと考えすぎてしまっているのかもしれません。
でも、今はいろんな意味で、本当に「対話」が求められている時代。
自分の居場所を確認できる安心
上司や会社と思いを同じくしているという一体感
ちゃんと育ててもらっているという信頼感・・・
職場や個人を取り巻く環境が日に日に厳しくなり、自分の居場所も、会社の存続さえも心配しなくてはならない状況の中、このような精神的な安定を、多くの人が求めているのではないかと思います。
そして、これらを与えてくれるのが、上司・部下の間での「深い会話」、「密な会話」です。
「深い会話」、「密な会話」とは、日常的な信頼関係の上に成り立つものなので、突き詰めていくと、一朝一夕には実現できるものではないのですが、だからといって敬遠し続けていては、永遠に距離は縮まらないまま。
そこで今回は、「深い会話」、「密な会話」のきっかけになるマジックワードをご紹介したいと思います。
♪マジックワードで会話を深める♪
そのマジックワードとは、「何を」、「なぜ」、「どうやった」という言葉です。(3個セットです)
日々の進捗確認の打合せや評価面談などで、よく使う言葉です。
スピード重視で、結果ばかりが重視される状況では、日常の会話においても、ものごとの結果や現象に終始しがち。そのような会話で使われる3大キーワードは、「何が」、「何のせいで」、「どうなった」。
3つのマジックワードと、上記のありがちな3大キーワードの違い、わかりますか・・・?
2つのセットは一見似ているのですが、そのフォーカスしているところが全く異なるのです。
会話を深めるマジックワードの3つがフォーカスしているのは、その人(相手)そのもの。
その人が、ここまでの段階で「何を」して、「なぜ」そのような行動をとって、具体的には「どうやった」のか。それを深掘りする言葉です。
一方で後者のキーワードは、本人の考えや行動とは関係のないところで、「何(何かの現象)が」、「何(誰)のせいで」、「どうなった」のか。
本人不在の会話が進展する恐れが大きいのです。
人は、自分の考えたこと、やったことをしっかり聞いてもらい、受け入れてもらうことで、満足感や安心感を感じます。
また、自分のことを一通り話し終えることで、理解してもらえた信頼感から、相手の話も素直に聞けるようになります。
さらに、自分の考えや取り組みを順序だてて話し、事実として共有することで、反省点や改善点が浮き彫りになり、上司との間で実のある会話ができる可能性が高くなります。
だからまずは、会話のフォーカスをすべて本人に集中させ、その軸足だけはぶらさないようにして、ありのままをすべて話してもらうようにマジックワードを繰り返す。
その後に初めて、問題の原因分析や今後の改善策の議論に入る。
いつもの会話にそんな1ステップを加えるだけで、部下との会話に深みが増すと思います。
これはもちろん、上司と話をするときも同じ。
その指示は「何を」意味しているのか、「なぜ」そのような指示を出すのか、具体的には「どうやって」実行するのか・・・そんな補足質問を投げかけるだけで、上司の気持ちがより深く理解できるようになるかもしれません。
100%相手にフォーカスするためのマジックワード。
普段の上司・部下間の会話の質が不十分だなぁ、と感じたら、このマジックワードを使ってみてはいかがでしょうか?
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