2008年も後半に入る頃から、規模を問わず、業種・業態も関係なく、景気悪化に関する話題が加速度的に耳に入ってくるようになりました。
身の回りでも、「ここ1、2年をなんとか乗り切れば・・・」とばかり、重心低く、足を踏ん張る体制を整え始めている企業が多いようです。
「ここ1、2年を乗り切る・・・」。
危機感溢れる言葉ですが、そこには実際、何が必要なのでしょうか?
余分なエネルギー放出を防ぎ、体力を温存すべく、余計な支出を抑えることも必要でしょう。
そしてもう一つ、全社で危機感を共有してベクトルをあわせ、一致団結することで、社内のエネルギー効率を高めていくことも大事だと思います。
リソースが限られているからこそ、そして、それぞれが不安を感じて閉じこもりがちになっているからこそ、一体になって組織の温度を高め、困難に立ち向かうための気力を養っていくことが、とても大事なのです。
ではどうすれば・・・?
今回は、数々の企業で実施されているお手軽事例をご紹介します。
♪全社員参加プロジェクトで一体感醸成♪
今回ご紹介するお手軽OJTは、「全員社参加プロジェクト」。
役員も新入社員も、現場も管理部門も関係なく、全員がひとつのことに取り組むプロジェクトです。
小売チェーンを展開するある会社では、クリスマス商戦が始まり、一年で一番多忙となるこの時期に、全社員が一人残らず、各店舗に散らばって交通整理のお手伝いを行うそうです。
そのねらいは、一人でも多くの人手を現場に、というマンパワー補充の意味合いもあると思いますが、それよりも大きな目的は、「全社員が同じ温度感を持つ」ということです。
店舗に一番多くの顧客が来店するこの時期は、自分達の会社の存在意義をもっとも実感できる季節。
そして同時に、繁忙期の現場がどれだけ大変かという、現場の苦労を身をもって体験できる時期でもあります。
更には、来店する顧客の数や表情を目の当たりにすることで、景気が良いのか悪いのか、満足を提供できているのかどうかを肌で感じ取ることができます。
こうして現場と同じ温度感を全社員で共有することが、全社の一体感を醸成する大きなきっかけとなっているのだそうです。
またある会社では、社員の提案により、「街頭チラシ配布キャンペーン」を実施したそうです。
景気が悪化の一途をたどる中、一人でも多くのお客様に店舗に足を運んでもらおうと、全社員で取り組んだキャンペーン。
その結果として大きかったのは、いつもは雲の上の存在であった役員が現場まで降りてきてくれ、率先して配ってくれたという感動と、日々の営業担当者の苦労が少しでも理解できたという、「大変さの共有」でした。
こうして、地道ではありますが、全社員が現場に出て一つのことに取り組むという「全社員参加プロジェクト」を通して、多くの組織が、一体感醸成のきっかけを掴んでいます。
業種・業態によって、取り組みのお手軽度合いには差があると思いますが、「うちの会社には馴染むかも・・・」という方は、チャレンジしてみてはいかがですか?
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