株式会社インディプロス

【6】メンター制度を形骸化させない方法!

【6】メンター制度を形骸化させない方法!

 

若年層の退職率がなかなか改善しなかったり、職場への適応ができない社員が増えたりと、昨今の様々な職場での問題に対し、メンター制度の導入を検討した、あるいは実際に導入したことのある会社は多いのではないでしょうか。

ただ実際には、制度が形骸化してしまって上手く機能しない・・・という悩みを抱え、結果として、「日本の会社には向かないんだ」などという理由で制度を廃止してしまうケースも多いようです。

年に数回飲みに行くだけの「定例行事」になってしまっているなんていう声も聞きます。

でも、メンター制度も、大事なポイントを押さえた設計を行い、活用法を間違わなければ、とても強力な人材マネジメントツールとなります。

今回は、そのポイントについてご紹介したいと思います。

そのポイントとは、

 1)メンターが求められるケースを想定する
 2)メンター制の目的とメンターに期待する役割を明らかにする
 3)目的に合わせた人選をする

の3つです。

1)メンターが求められるケース

メンターというのは、誰にでも同じように必要というわけではありません。

どのようなケースに必要なのかというと、その大きなもののひとつは、

 「特殊なストレスがかかる環境で、それを乗り越える必要がある場合」

です。

たとえば、まだまだ男性優位の風土が残った会社で昇進を期待される女性、あるいは中途入社者、その他、何か大きな変革を担う人など、
自分の中や組織の中にある常識、既成概念等を打ち破っていかなければならない人たちが、そのケースにあてはまります。

そのような状況では、「あなたは大丈夫だから、頑張りなさい」と背中を押してくれる存在、あるいは、 「私が障害を取り除く手伝いをしてあげるから、あなたはベストを 尽くしなさい」と側面支援してくれる存在がとても重要になってきます。

このような場合が特に、メンターが強く求められるケースと言えます。

2)メンターの目的と役割

上記のように、メンター制を適用するケースが明らかになれば、メンターに求める役割も自然と明確になってきます。

たとえば上記のように、「特殊なストレスがかかる環境・状況を乗り越える必要がある場合」を想定するのであれば、メンターの役割は、本人が障害を乗り越えられるような環境整備や社内調整をしてあげることが、最も重要になります。

そう考えると、環境整備や社内調整が行える権限や実力を兼ね備えた人をメンターとして選任することが必要だということもわかりますね。

現在企業で活躍されている40代以上の女性に、ここまで仕事を続けてこられた理由、企業の中でキャリアアップを続けてこられた理由をお聞きすると、多くの方が口をそろえて、「メンターの存在」を挙げられます。

そしてそのメンターとは、男性で、ある程度高いポジションで、社内に影響力のある人であること、という条件が共通しています。

これは、女性の昇進やキャリアアップにまだまだ否定的な考えが 多かった時代の中で、女性がストレスに負けずに仕事を続けていく には、自分の味方となって環境整備や社内調整を行ってくれる人が 必要不可欠だった、ということなのだと思います。

3)メンターの人選

メンターを選択する際、本人の希望に100%任せるという方法をとって いる会社も多く、そのメリットももちろんありますが、

上記のようにメンターの目的や役割を明確にしてみると、「誰でも良い」わけではないことがわかります。

ある程度会社の側で人選しておくことも、制度をより効果的に運営する 上では、有効なケースもあります。

以上のように、「特定のストレスがかかるケース」と考えると、今後はダイバーシティの動きが進むにつれ、上記以外にも、外国人や非正社員など、新たなメンティー群が出てくるものと思われます。

おそらく、それぞれの立場によって必要な支援は異なりますので、 それぞれにメンター制度の目的やメンターの役割、人選基準などを 設定していく必要があります。

また、新入社員や若手社員に対する「チューター」などと呼ばれる仕組みについては、上記のケースとはまた少し、性質が異なります。

若手社員では、特定のストレスへの対応だけでなく、社会人としての生活全般へのフォローも大事な役割となりますので、権限や実力というより、親身になって話を聞いてくれること、社内の風土や社内での世渡り術(?!)を熟知していることが、重要な要件となってくることもあります。

いずれにしても、制度の目的は何か、メンターの役割は何か、を明確にすることで、形骸化しない制度運用が可能なのだということを念頭に、設計や運用を進めていただければ・・・と思います!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

※最新のコラムはメールマガジン(隔週発行)でお届けしております。ぜひご登録ください。

◆人事制度診断も承っています◆
今の人事制度は、会社の風土や方向性にあっているのだろうか?
人事制度が上手く機能しないのはどうして??

そんな疑問や懸念を解決するための、人事制度診断を承っています。初回の相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

詳しくはこちらよりお問い合わせください。