株式会社インディプロス

【5】“働きザマ”主義人事制度

【5】“働きザマ”主義人事制度


「最近の人事制度のトレンドは?」

といった質問をされることが多いのですが、最近は決まって、
こうお答えしています。

「それぞれの会社が、“自分たちらしさ”を形成するための人事制度を求める
ようになってきていると思います」

少し前の成果主義時代は、とりあえず、まずは成果主義人事制度を。

といった感覚で、時流に乗った制度、流行に乗り遅れない制度の導入を
目指した企業が多かったように思います。

その流れがひと段落し、市場環境も変わった今、ふと気づけば、なんとなく
組織に停滞感が漂っていると感じたり、かつての“自分たちらしさ”が
失われつつあると感じている企業が増えてきているようです。

そこで最近多いのが、自分たちの会社の価値観(Value)や行動指針(WAY)
といったものをもう一度見直し、制度に埋め込んでいこうとする動きです。

もちろん、そのような人事制度は以前からあったのですが、特徴的なのは、
不景気であっても、その考えがぶれないということです。

不景気だからといって、とにかく人権費を抑制しよう、短期的な成果だけを
見て処遇を決めよう、という思考に走らずに、

少し中長期的な視点を持って、また、自分たちの本質を見失わないで
制度構築や人材マネジメントを行っていく。

そんな経営者の意思を感じることが多いです。

ある会社では、経営チームでディスカッションを行ったところ、

「新しい価値を生み出すことに徹底的にコミットする集団」

であり続けることが、自分たちの一番譲れないポリシーだ、という結論に
至りました。

そこで、それをブレイクダウンして、もう少し具体的な要件
(ものの考え方や行動様式)に落とし込んでいったのですが、

そこである役員がひとこと、

「これは、うちの会社の社員の“働きザマ”だな」

と、ポロッとおっしゃいました。

“働きザマ”・・・まさにその通りだなぁ、と思いました。

人事制度は、会社の戦略や経営者のメッセージを伝えるツールだとは、
よく言う話です。

でも、いざ設計をしてみると、いろんなメッセージを込めすぎたり、
いろんな配慮や詳細へのこだわりが過ぎたりして、

何が言いたいのかが分からなくなってしまっている制度も多いようです。

でも、

「わが社の人事制度は、何を目指したものなのですか?」

と社員から聞かれたとき、

「わが社の社員に共通して実践してもらいたい“働きザマ”を示したものだよ」

と自信を持って言えたとしたら、それはとてもわかりやすく、心に響く
メッセージなのではないかと思います。

ちなみに、人事制度のメッセージが特に如実に表れるのは、
 ・等級(人材像)の要件定義
 ・評価の構成(定量/定性のバランス等)
 ・WAY評価などの定性評価の定義
 ・給与の構造(何に対してどれだけ支払うのか)
といった部分です。

もう一度、今の会社の制度を眺めてみてください。

会社が求めている“働きザマ”が、そこから見えてくるでしょうか?

見えてこないとしたら、それは、更なる理解が必要なのでしょうか、
それとも、制度の中身(構造や定義)自体が曖昧なのでしょうか・・・?

早いうちに、じっくり検証してみることをお勧めします。

もう一度「自分たちらしさ」を取り戻すために、あるいは、
「自分たちらしさ」をこれからも維持・高度化させていくために、

「“働きザマ”主義人事制度」を整備し、活用してみてはいかがでしょうか。

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