株式会社インディプロス

【2】“バイアス・チェック”で上司力検証!

【2】“バイアス・チェック”で上司力検証!

普段、様々な企業で人事制度構築や考課者研修などを実施させていただいていますが、 「評価というのは、上司としてのマネジメント力が最も試される場だなぁ・・・」 と実感することがよくあります。

“上司としてのマネジメント力”とは、たとえば、

・上司として部下のことをちゃんと見てあげているか
・上司として、凛として、自信を持って部下と接しているか
・上司として、部下との信頼関係構築を普段から行っているか
・上司として、部下の多様性を受け入れられているか・・・

といった、上司としての基本的なスタンスを守れているか、ということです。

「評価がマネジメント力を試される場である」とはどういうことかというと、上記のような、 上司としての基本的なスタンスが守られていないと、それが、知らず知らずのうちに 評価時の「クセ」として表れてしまうので、評価に臨む姿勢によって、上司としての スタンスも透けて見えることがある、ということです。

その「クセ」は、人事の世界では、「評価バイアス」とか「評価エラー」などと呼ばれています。 どんな人でも普遍的に陥りやすい評価時のミスやクセとして、頻繁に書籍などでも 取り上げられていますので、聞いたことがある方も多いと思います。

私もよく、評価者研修の最後に、いくつか代表的な評価バイアスについて解説をするのですが、 受講者の方々の反応は共通していて、

「こういう人、いるよね~」
「あはは、自分の上司に聞かせたいよ」

と、まるで「あるあるネタ」を見ているかのような雰囲気になり、かなり盛り上がります。 楽しく話を聞いていただけるので、それはそれで良いのですが、でも、この「バイアス」 という考え方は、もっと奥深い意味合いも含んでいるので、ちゃんと理解していただけると いいなぁ、、、と思いながら、いつも話をしています。

「評価バイアス」の代表的な例としては、

○中心化傾向・寛大化傾向・厳格化傾向
評価が全体的に中心(標準評価)に寄ってしまったり、全体的に甘くなったり(寛大化)、 全体的に厳しく(厳格化)なったりする

○ハロー効果
ひとつ秀でたところや突出した成果があると、その他の部分でも全て秀でていると評価してしまう

○直近効果
直近に起こった出来事や成果で評価が左右されてしまう

○対比誤差
自分自身の価値観ややり方を基準に評価してしまう (自分と似ている人を不当に高く評価したり、低く評価したりする)

などがあります。 他にもいろいろあるのですが、上記のような「バイアス」にかかってしまう理由というのは、 実はいくつかにまとめられるのです。 その主なものを挙げると、

1)日々の部下の取り組みを個々の事実ベースで見れていない(⇒印象だけで部下を判断してしまう)
2)メリハリをつけたら部下の信頼を失うのでは・・・と不安 (⇒とにかく穏便に済ませようとしてしまう)
3)メリハリのある評価をつける自信がない/責任を負いたくない (⇒できるだけ責任を追及されない無難な評価にする)
4)偏った価値観でしか人を見られない (⇒部下の多様な能力や特性を受け入れられない)

といった要因が大きいのではないかと思います。 結局それは、どういうことかといえば、冒頭にお話ししたような上司としての基本的なスタンス

・上司として部下のことをちゃんと見てあげているか
・上司として、凛として、自信を持って部下と接しているか
・上司として、部下との信頼関係構築を普段から行っているか
・上司として、部下の多様性を受け入れられているか・・・

を守れているのか、という根本的な問題に立ち戻ってしまうのです。 「評価バイアス」というのは、評価をする際のテクニカルな問題なのではなく、 もっと根本的な、“上司力”の試金石にもなっているということなんですね。 ご自身や周囲の方の評価スキルのチェック、さらには上司力検証のために、 自分が陥りがちなバイアスとその原因について、一度じっくり振り返ってみてはいかがでしょうか。

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