株式会社インディプロス

【1】良い評価者は良いコーチ!

【1】良い評価者は良いコーチ!

このコラムを読んでくださっている方の中には部下をお持ちの方も多いと思います。

さて、「部下を持つ上司の役割」って何なのでしょう・・・?

部下の育成、動機付け(モチベーションアップ)、評価・指導、部下の役割定義に
目標設定・・・たくさんありますよね。

その中で、最も大切な“スキル”は何だと思いますか?

部下をマネジメントする上で最も大切なスキル・・・そう言われると、つい「育成」や「動機付け」に関するもの(コーチングなど)と答えがちなのですが、私はあえて、「評価スキル」だと断言します。

それは、部下を育成するにも、モチベーションアップを図るにも、また、役割や目標を設定してあげるにも、そのベースとして何よりも大切なのは、「人を見る目」だからです。

ちゃんとした「人を見る目」を持ち、弱みや不十分な点も含めて、全体的な視点で部下を理解できてはじめて、一人一人へのきめ細かな育成や動機付けができるんですよね。

でも、「ヒトがヒトを評価するなんて無理だ!」なんていう反論を受けることも、よくあります。

また、ネガティブなフィードバックをすると、部下の機嫌を損ねたり、関係が悪化したりしてしまうので、極力避けたい・・・という方も。

その気持ち、とってもよくわかります。私もときどき、そんな気分になることもあります。

でもそこには、ちょっとした誤解(錯覚)があるのです。

「評価」といっても、人格そのものの評価ではなく、あくまで「同じ会社(組織)で働く仲間」としてどうなのか、を見るのが人事制度の「評価」。ネガティブな評価になったとしても、それはその人そのものを否定しているわけではありません。

もちろん、そんな評価を下した自分自身も、別に極悪非道な人ということにはならないのです。

同じ会社の仲間としてマインドや価値観を共有できているのか、スキルは十分なのか、期待された役割を果たしてくれているのか、を見ているだけ。

全人格ではなく、「同じ会社の仲間」という切り口から見た、一つの側面です。
そう割り切ってしまいましょう!

前回までの「OJT術」のコラムでも何度もお話ししてきたように、この価値観やマインドの部分というのは、ある程度厳格に評価をし、しつこいくらいに徹底・浸透させていくことが、人材育成の上でも、組織風土形成のためにも、とても重要です。

だから、あくまで「一緒に仕事をする仲間としての評価」は自分の中で何か割り切りを持ってでも、真剣に臨むことって大切なんですよね。

(余談ですが、最近はこの、「価値観」や「マインド」を重視した人事制度、評価制度に制度を修正する会社も増えてきています。「組織風土形成のための人事制度」が浸透してきたな・・・と実感しています。)

そしてもう一つ、部下の立場から見ても、自分が本当に仲間として受け入れられているのか、は、とっても気になるところ。

ネガティブな部分(今後改善していくべき部分)までちゃんと指摘されて初めて、「見てもらっている」という実感がもてることもあります。

人材育成も、動機付けも、部下のマネジメントの基本は、一人ひとりをちゃんと見て、ちゃんと話を聞いて、自分の考えをちゃんと伝えてあげること。

それがあるから、信頼関係ができて動機付けも可能になり、効果的な育成方法を考えていくこともできるんですね。

その際の一番有効に活用できるものが、人事制度、とくに評価制度であることが多いのです。

最近は、管理者のマネジメント力向上のために、コーチングスキルの教育などを行う企業も増えています。

それはとても良いことですが、その前提として、評価制度をちゃんと使いこなせること、部下にとって良き評価者であることも、同じくらい大切なスキルなのです。

良い評価者は良いコーチ。

ということで、これから暫く、このコラムでは、マネジメントのための評価制度活用法について、ご紹介していきたいと思います!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

※最新のコラムはメールマガジン(隔週発行)でお届けしております。ぜひご登録ください。

◆人事制度診断も承っています◆
今の人事制度は、会社の風土や方向性にあっているのだろうか?
人事制度が上手く機能しないのはどうして??

そんな疑問や懸念を解決するための、人事制度診断を承っています。初回の相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

詳しくはこちらよりお問い合わせください。